網羅型第7回第3問の一部

連結会計に苦手意識がある人(大半がそうだと思います)は、今から、完璧に理解しようと思わずに、その時間を他の問題の演習に充てられた方が良いと思います。

 

連結が出たら、以下の中で、自分の理解できる仕訳までで良いので、その段階で該当の科目の欄だけ埋めて、部分点狙いをしましょう。

部分点狙いでも、恐らく、半分の10点は取れるのではないかと思います。

 

連結精算表の場合、修正・消去欄は採点対象にならないはずなので、自分の分かる仕訳の仕方で良いと思います。

とりあえず、上から順に仕訳をしてみます。

 

1(1)

1.子会社株式と子会社の純資産の相殺消去

試算表のS社株式1,300,000とS社の純資産を相殺する。

S社株式(子会社株式のこと)をなくすため、「貸方:S社株式1,300,000

S社の純資産をなくすため、借方:資本金1,250,000と利益剰余金650,000

取得したのは60%なので、本来の価値は1,900,000×0.6=1,140,000

それを、1,300,000で取得したので、差額はのれんで、「借方:のれん160,000

1,900,000×0.4=760,000は、他の株主の持分なので、非支配株主持分として処理するため、貸方:非支配株主持分760,000  

資 本 金 1,250,000  S 社 株 式 1,300,000 
 利益剰余金 650,000  非支配株主持分 760,000 
の れ ん

160,000 

   

2.子会社(S社)配当の修正

利益剰余金を元に戻すために「貸方:利益剰余金240,000

P社の受取配当金を取り消すために「借方:受取配当金144,000

他の株主の持分を調整するために「借方:非支配株主持分96,000

240,000×0.6=144,000

240,000×0.4=96,000  

 

受取配当金 144,000  利益剰余金 240,000 
非支配株主持分 96,000     

3.過年度ののれんの償却

x0年4月1日に取得しているので、前期までに3年経過している。

金額は、160,000÷20=8,000で1年分が求まるので、8,000×3=24,000

前期までの分は、「のれん償却」という費用では処理できない。

収益と費用の差額は「利益剰余金」として残っているはずなので、利益剰余金を減らすために、「借方:利益剰余金24,000

同額で、のれんをなくせば良いので、「貸方:のれん24,000」 

利益剰余金 24,000  の れ ん 24,000

 

開始仕訳として、仕訳をする問題の場合は、これに過年度の利益の振替も加味しますが、ここでは、後でまとめてやります。

1(1)のれんの償却 

当期の分は、「のれん償却」として費用計上する。 

のれん償却

8,000 

の れ ん  8,000  

2(固定資産売買の相殺) 

以下のように購入側と売却側のそれぞれを取り消す方が分かりやすいかと思うが、「土地」の貸借金額を相殺して、残額で仕訳をしても良い。

 

 土   地 125,000  土   地 135,000 
土地売却益

10,000 

   

アップ・ストリームとかダウン・ストリームなどの専門用語が理解しづらいかも知れないので、最後に他の内容もまとめて書いてみたいと思います。 

3(債権債務の相殺消去)

①検収未了の分を「売上原価(仕入のこと)」に計上する。

 1(2)で商品売買は、全て掛取引で行っているとあるので、貸方は「買掛金」

 この商品は、当然、期末商品として残ることになるので、

 「商品」に計上するとともに「売上原価」から控除する。 

 

 売上原価 4,000  買掛金 4,000 
商  品

4,000 

売上原価 4,000 

②支払利息の未払処理が未処理なので、処理を行う。 

 

支払利息

250 

未払費用 250 

①と②の仕訳をすれば、後は単純に相殺して、取り消すだけ。

下の仕訳は、意識的に上から順に仕訳をしてあります。 

 

(高校生の子に理解してもらいやすいと思うので)

売上高 1,000,000 

売上原価

1,000,000 

買掛金

224,000 

売掛金

224,000 
売上高 399,000 

売上原価

399,000 
買掛金 2,250 

売掛金

2,250 
未払金 1,000 

未収入金

1,000 
借入金 100,000 

貸付金

100,000 
受取利息 1,000 

支払利息

1,000 
未払費用 250 

未収収益

250 

コンテンツの量が多いのか、エラーになるので、一旦、ここまでにしておきます。

ここまでの仕訳分を記入して、貸借対照表や損益計算書に移動してみましょう。

そうすると、

「売掛金」「土地」「未払費用」「のれん償却」「受取配当金」の5つの欄は正解できると思います。

それで、20点の内の10点が取れることになるので、実はここまででも十分です。

 

第1問、第4問、第5問で60点満点を取る目標で学習を進めていれば、これで10点、残りは、第2問で何点取れるかで、必ずしも、第1問、第4問、第5問が満点じゃなくても、合格ラインに到達できますよね?

 

ということで、連結は苦手だと捨てずに、必ず、10点程度は取れる内容になっていると思って、埋められる欄だけでも埋めてください。 

 

 

ランキングに参加しています。

励みになるので、よろしかったら、ポチっと2つクリックしてくださいね。